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イタリア会館《映画レビュー》
イタリアと日本の映画館で上映される主なイタリア映画、日本でビデオ化されたイタリア映画。


私のイタリア映画旅行
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マーティン・スコセッシ監督
ドキュメンタリー 1999年

『私のイタリア映画旅行』は、マーティン・スコセッシ監督のイタリア映画についてのドキュメンタリーです。      続きを読む

監督:
マーティン・スコセッシ
出演:
マーティン・スコセッシ

『私のイタリア映画旅行』は、マーティン・スコセッシ監督のイタリア映画についてのドキュメンタリーです。
以前の『A Personal Journey with Martin Scorsese Through American Movies』(「マーティン・スコセッシ監督とのアメリカ映画旅行」、邦題不明)には、スコセッシ監督はアメリカ映画史についての壮大なドキュメンタリーを作った。しかし、『私のイタリア映画旅行』での語りは、 教育的なスタイルを離れ(それにもかかわらず、イタリア映画史がよく説明されている)、もっと身近で親しみやすい物になっている。当作品を見ながら、スコセッシ監督が過ごした幼少期、映画監督を目指していた時期にイタリア映画から受けた感動などを、この作品を見る観客と共に分かち合いたいという監督の気持がうかがえる。

スコセッシ監督は、子供のような無邪気さと純粋さで、そして彼の鋭い解釈と共に、彼自身とイタリア・シチリア系の彼の家族とイタリア映画との関係を語る。『私のイタリア映画旅行』は、監督のある記憶の中の旅でもあり、ネオレアリズム派の映画を通してイタリア系アメリカ人である自分の素性を辿る旅でもある。 監督は、子供の頃、午後はロイ・ロジャースが出るウエスタン映画を見て、家に帰ると、家族揃って『戦火のかなた』をテレビで見ていた。シチリアが舞台である『戦火のかなた』の最初のエピソードは、シチリアに生まれ、 アメリカに移民した祖父母は遠い昔の記憶を思い出させ、子供のスコセッシにとっては、自分の素性を発見させるものとなり、スコセッシ一家にとって、一番大事なエピソードであった。 その映像に心を打たれた祖父母は、戦災から離れている安堵を感じたり、シチリアに残り戦火に見舞われた人たちに対して罪悪感を抱いたり、スコセッシ監督は祖父母の複雑な気持ちが良く分った。スコセッシ監督の家族にとって、 『戦火のかなた』や、『揺れる大地』、『1860年』などのシチリアが舞台となっている作品は、ただの映画だけでなく、彼らの過去や素性に向かっている窓だった。
『戦火のかなた』
本作品は四つの部分に分かれており、4時間はあっという間に過ぎる。スコセッシ監督が大好きなロッセリーニをはじめ、デ・シーカ、ヴィスコンティ、ブラゼッティ、ジェルミ、フェリーニ、アントニオーニなど、様々なイタリア映画監督を取上げている。 さらに、『カビリア』などの初期の時代物や、古代ローマを舞台としている作品を一般に「ペプルム」というが、そういった作品も取上げられている。子供の頃のスコセッシ監督は、特にペプルムから多くの着想を得た。 映画の中では、十一歳のスコセッシ監督が想像して描いたペプルムのストーリーボードを見せていて、どんな映画ファンでも、それを見て心をうたれるだろう。

フェリーにの『青春群像』の分析は大いに啓発されるところである。それを見た後、なるほどスコセッシ監督の作品の本質内容は、元々『青春群像』にあるとはっきり分かるようになる。『青春群像』の舞台小さい町リミニと、スコセッシ監督のニューヨークが舞台の『ミーン・ストリート』を思い出す。 スコセッシ監督が『青春群像』の最後について話すとき、彼のパノラマ撮影をはじめ、独特な撮影カメラの動き方などが、どこから来たのかピンとくるだろう。

本作品を見ると、イタリア映画とマーティン・スコセッシを既に知っている人は、イタリア映画について新しい見方の発見ができ、スコセッシ監督のことをもっと親しく感じられるようになる。またそれ以外の人は、現在映画界の優れた監督から語られるイタリア映画の最も素晴らしい作品を見つけられる。 いずれにしても、『私のイタリア映画旅行』を見ると誰でも、『自転車泥棒』や、『ウンベルト D』、『情事』など、色々と取上げられている映画を見たくなるだろう。それは、本作品のもう一つのいい点である。

驚くべきことは、イタリアの配給・制作会社 Mediatrade から作られたのに、イタリア編のDVDはまだ存在しない。けれども、日本編のDVDは良くできている。DVDボックスの中に片面2層のDVD2枚組になっている。 音声はオリジナル(スコセッシのコメントは英語で、イタリア映画の部分はイタリア語で)、日本語字幕。本作品で取上げられたイタリア人監督とスコッセシ監督の略歴パンフレット付き。

オンラインショップ: www.nowondvd.net

『青春群像』


Il passato e' una terra straniera (過去は未知の大地だ)
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ダニエーレ・ヴィカーリ監督
ドラマ 2008年

ジョルジョは、バーリの良家の大学生。ある日、フランチェスコに出会う。フランチェスコは、秘密賭場で賭博をして生活する。     続きを読む

監督:
パオロ・ソレンティーノ

出演:
エリオ・ジェルマーノ
ミケーレ・リオンディーノ

ジョルジョは、バーリの良家の大学生。ある日、フランチェスコに出会う。フランチェスコは、秘密賭場で賭博をして生活する。二人は、すぐに仲のいい友達になる。しかし、ジョルジョは暴力や犯罪の世界に巻き込まれてしまう。
ダニエーレ・ヴィカーリは、イタリアで最も面白い若手映画監督の中の一人。以前の「Velocita' massima」(最高速度、2002年、邦題不明)と「L'orizzonte degli eventi」(できごとの未来、2005年、邦題不明)では、映像を使って上手に表現できること、単純に進む物語の構成を離れ、面白い脚本を書けることが示された。
当作品の原作は、評価が高く色々な言語で翻訳された。バーリ出身の司法官のジャンリコ・カロフィーリオが書いた同名の小説である。当作品の二人の若い俳優の演技は高く評価された。


Il divo
Il divo (ザ・スター)
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マッテーオ・ガッローネ監督
ドラマ/グロテスク 2008年

パオロ・ソレンティーノ監督の新作映画の中心である、ジュリオ・アンドレオッティは、戦後イタリアで最も影響力があった政治家である...     続きを読む

Il divo (?????)

監督:
パオロ・ソレンティーノ

出演:
トニー・セルヴィッロ
アンナ・ボナユート
ジューリオ・ボゼッティ

パオロ・ソレンティーノ監督の新作映画の中心である、ジュリオ・アンドレオッティは、戦後イタリアで最も影響力があった政治家である。最後のアンドレオッティ内閣の危機や、大統領選出での失敗、マフィア犯罪結社の嫌疑の裁判まで、三十年前からのイタリア史に残っている殺人事件や虐殺なども含めて、アンドレオッティの人間像や私生活なども語られている。シュールやグロテスク様式を用いる解読、100%ソレンティーノ・スタイル。主役を演じる、トニー・セルヴィッロは、イタリアで現在、最も人気の俳優である。
2008年カンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞。

Il divo (?????)


Gomorra
Gomorra (ゴモラ)
イタリアで上映中
マッテーオ・ガッローネ監督
ドラマ 2008年

ロベルト・サヴィアーノが書いた原作『死都ゴモラ』は、我々の時代、この世の地獄における五つの物語によって構成されており、今回、イタリア映画監督:マテオ・ガッローネによって映画化された...     続きを読む

Gomorra (???)

監督:
マッテーオ・ガッローネ
出演:
トニー・セルヴィッロ
ジャンフェリーチェ・インパラート
マリア・ナツィオナーレ

ロベルト・サヴィアーノが書いた原作『死都ゴモラ』は、我々の時代、この世の地獄における五つの物語によって構成されており、今回、イタリア映画監督:マテオ・ガッローネによって映画化された。カモッラ(ナポリマフィア)の手は、ナポリだけに留まることなく、カンパーニア州や、イタリア、世界にまで及んでいる。最近、イタリアの最も勇敢で影響力があるの一冊の本が原作で、ナポリの堕落や裏世界を象徴するような場所で撮影された。フランチェスコ・ロージ(イタリア映画監督)やエリオ・ペトリ(イタリア映画監督)のイタリア大告発映画の風潮に従いながらも、ガス・ヴァン・サント(アメリカ映画監督)にも触れ、再創設する作品である。
2008年カンヌ国際映画祭のグランプリを受賞。

Gomorra (???) Gomorra (???)


Soneta'ula (ソネタウラ)
Soneta'ula (ソネタウラ)
サルヴァトーレ・メレウ監督
ドラマ 2008年

1937年から1950年までのサルデーニャが舞台で、当映画の主人公は、祖父に育てられた若い牧羊者で、 ソネタウラというあだ名である。侮辱に対する復讐を果してから、ソネタウラは山賊になってしまう...     続きを読む

Soneta'ula (ソネタウラ)

監督:
サルヴァトーレ・メレウ
演出:
フランチェスコ・ファルケット
マヌエーラ・マルテッリ
アントニオ・クリスポーニ

1937年から1950年までのサルデーニャが舞台で、当映画の主人公は、祖父に育てられた若い牧羊者で、 ソネタウラというあだ名である。侮辱に対する復讐を果してから、ソネタウラは山賊になってしまう。 2003年の『Ballo a tre passi』(スリー・ステップ・ダンス)の後、メレウ監督の第三作品。 原作はジュゼッペ・フィオーレ作家の小説である。



Soneta'ula (ソネタウラ) Soneta'ula (ソネタウラ)

Giorni e nuvole (日々と雲)
Giorni e nuvole (日々と雲)
シルビオ・ソルディーニ監督
コメディ−ドラマ 2008年

エルサとミケーレは、何ひとつ不自由のない生活を送っている夫婦で、 もう成人してしまった娘もいる。全てはうまく行っていて、エルサは、昔に抱いた夢を...     続きを読む

Giorni e nuvole (日々と雲)

監督:
シルビオ・ソルディーニ
出演:
マルゲリータ・ブーイ
アントニオ・アルバネーゼ
ジュゼッペ・バッティストン

エルサとミケーレは、何ひとつ不自由のない生活を送っている夫婦で、 もう成人してしまった娘もいる。全てはうまく行っていて、エルサは、昔に抱いた夢を取り戻すように、 仕事を止めて、大学で美術史の勉強を再び始める。しかしその後、エルサは、 ミケーレが二ヶ月前に会社を首になっていた事を知る。『ベニスで恋して』の監督によると、 現代において、労働力が商品となってしまった事が、裕福な家族に与えた結果。 www.giornienuvole.it


Giorni e nuvole (日々と雲) Giorni e nuvole (日々と雲)

Caos calmo (静かなカオス)
Caos calmo (静かなカオス)
アントネッロ・グリマルディ監督
ドラマ 2008年

ピエトロ・パラディーニは、ネットワーク会社の幹部で、彼の奥さんが突然、亡くなる。 ピエトロと十歳の娘のクラウディアは二人きりになってしまう。ある朝...     続きを読む

Caos calmo (静かなカオス)

監督:
アントネッロ・グリマルディ
出演:
ナンニ・モレッティ
バレリア・ゴリノ
イザベッラ・フェラーリ

ピエトロ・パラディーニは、ネットワーク会社の幹部で、彼の奥さんが突然、亡くなる。 ピエトロと十歳の娘のクラウディアは二人きりになってしまう。ある朝、娘を学校に連れて行き、 そのままそこに残り、授業の終わりまで待つ事にする。そして、次の日も、またその次の日も・・・。 当映画の原作は、2006年にストレーガ賞を得た、サンドロ・ヴェロネージ作家の小説である。http://www.caoscalmo/sito.aspx

Caos calmo (静かなカオス)

Rosso Malpelo (赤毛のマルペーロ)
Rosso Malpelo (赤毛のマルペーロ)
パスクアーレ・シメーカ監督
ドラマ 2007年

マルペーロというのは、赤毛の男の子に付けられたあだ名である。その髪の毛のせいで、 マルペーロは、皆から、お母さんからさえも軽蔑され、避けられている...     続きを読む

Rosso Malpelo (赤毛のマルペーロ)

監督:
パスクアーレ・シメーカ
出演:
アントニオ・チュルカ
オーマル・ノート
マルチェッロ・マッツァレッラ

マルペーロというのは、赤毛の男の子に付けられたあだ名である。その髪の毛のせいで、 マルペーロは、皆から、お母さんからさえも軽蔑され、避けられている。 マルペーロと一緒に同じ鉱山で働くお父さんだけが、マルペーロのことを愛している。 しかしある日、お父さんは鉱山で起こる事件で死んでしまう… 原作は、ジョヴァンニ・ヴェルガ(1840年−1922年)の小説(映画タイトルに同じ)。 当映画の目的は、若年労働の搾取に対する強い非難である。
ホームページ:www.rossomalpelofilm.it

Rosso Malpelo (赤毛のマルペーロ)Rosso Malpelo (赤毛のマルペーロ)

Dopo mezzanotte(トリノ、24時からの恋人たち)
Dopo mezzanotte (トリノ、24時からの恋人たち)
ダヴィデ・フェラーリオ監督
コメディ 2005年

マルティーノ(パソッティ)は恥ずかしがり屋で内向的な性格で、トリノの映画博物館の夜間管理人 として働いている。マルティーノは、心ひそかにアマンダ(イナウディ)に恋している。アマンダは...     続きを読む

Dopo mezzanotte(トリノ、24時からの恋人たち)

監督:
ダヴィデ・フェラーリオ
出演:
ジョルジョ・パソッティ
フランチェスカ・イナウディ
ファビオ・トロイアーノ

トリノの灰色の郊外に住んでいて、夜遅くまでファストフード店で働いている。アマンダのボーイフレンドは、 アンジェロ(トロイアーノ)。アンジェロは車泥棒をする、おとぼけギャングの頭である。ある夜、彼らの人生 は交差する… スラップスティック・コメディとラブストーリーの境にある。『トリノ、24時からの恋人たち』 は、トリュフォーからバスター・キートンまで、又はジョヴァンニ・パストローネからリュミエール兄弟まで軽い 感じで意図的に作られた映画だ。ストーリーは、ずっと皮肉でナンセンスな調子で流れる。これらの条件を 最初から念頭に置いて見なければ、その風変わりな登場人物は嫌な感じに映るであろう。全部デジタルで撮影され、 ローコスト映画の良い一例である。『トリノ、24時からの恋人たち』のいい所は、テレビではなく映画の世界から 着想を得ていることだ。それは近頃のイタリア映画では、非常に珍しい。ダヴィデ・フェラーリオ(1956年生まれ) は、監督になる前は元々映画評論家や学者であった。例えば、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーについての評論 を書いた。Dopo mezzanotte(トリノ、24時からの恋人たち)他の作品の中で:『Tutti giu’ per terra』(みんな、しゃがもう!1997年)心細く未来において見込みが ない世界に居る若者について、『Guardami』(私を見て、1999年)ポルノ映画の世界について。ジョルジョ・ パソッティ(1973年生まれ)はイタリア映画の名優になる前に中国拳法の国際的の選手だった。拳法の勉強をする 為に中国に留学し、香港において、カンフー映画で演じ始めた。
ウェッブサイト: http://www.medusa.it/dopomezzanotte/
http://www.crest-inter.co.jp/torino24/

Dopo mezzanotte(トリノ、24時からの恋人たち)

死都ゴモラ